ヤミクモ日和

『好きなものを好きなだけ』をコンセプトに、日記・映画(ホラーが主)・小説の感想などを書いています。オススメや見たいけど怖くて見れない映画がありましたらぜひ教えてください。

ちょびっと怖い『コララインとボタンの魔女』

 以前から気になっていたため、見てみた作品です。ストップモーション・アニメである本作は、非常に魅力にあふれる作品となっております。これが本当にストップモーション・アニメか? と思うほど美しい世界・演出は必見です。

movies.yahoo.co.jp

あらすじ

 オレゴン州に引っ越してきたばかりの主人公の少女、コラライン。友達とも離れ、両親はライターの仕事で忙しい。ご近所さんは変人ばかり……。退屈な日々を過ごしていたコララインだが、引っ越し先の家で小さな扉をみつる。その扉の向こうにはもうひとつの世界があった。何もかも素晴らしいもう一つの世界なのだが……。

 

感想(ネタバレなし)

 コララインの気持ちが上手に描かれています。キャラクターも非常に表情豊かです。冒頭でのシーンはコララインの退屈さ、前住んでいた場所への恋しさが伝わってきます。これくらいの年頃の子にとって、仲良くしていた友達と離れ離れになってしまうのは、辛い事です。

 見終わった後に、この作品のテーマはいったい何だったんだろう? と考えてみると面白いかもしれません。

 扉をくぐった先の別の世界は美しく、鮮やかなものとして描かれ、建物の配置は現実の世界と全く同じであるにもかかわらず、まったく違う表情を見せています。

 最初のぬいぐるみが解かれ、作り変えられていくシーンは特にお気に入りです。不思議でどこかグロテスクな雰囲気を感じさせます。

 お子さんにも安心して見て頂ける作品だと思いますが、虫が苦手な人にはお勧めできませんね。

 感想・考察(ネタバレあり)

 とにかくコララインが可愛いですね……。それに尽きると思います。

 素晴らしいもう一つの扉の向こうの世界はボタンの魔女が作り出した世界。魔女がコララインを自分の世界にずっと留めておくために、彼女が喜びそうなものを魔法で演出していました。

 ボタンの魔女がどうしてコララインを魔女の世界にとどめておこうとしたのかは猫さん曰く「何かを愛してみたいのか、ただ単に食べるため」。魔女によって食べられてしまった3人の子供たちは「愛してるって言われたのに」と言っています。それが魔女の世界にとどまる前に言われたことなのか、とどまった後に言われたことなのかはわかりませんが、魔女の気が変わったのか、最初からウソだったのか。コララインが魔女から逃げ出すシーンで魔女は「あなたがいないと死んでしまう」と叫んでいます。精神的な問題なのか、もしかしたら定期的に子供を食べないと魔女は生きていけないのかもしれません。

 ワイビーのおばあちゃんがコラライン家族に家を貸したのは、なぜなのか? それについてはあまりよくわかりません。年月が経っているからもう大丈夫だと考えたのかもしれませんし、人形が手元にある限り大丈夫だと思ったのかもしれないし……。

 この映画の魅力は、コララインの体験が夢でないことを裏付ける演出が多数あることでしょう。ホラーテイストでありながら、どこまでも夢溢れる作品なのです。

 猫さんがラストで意味深に姿を消して映画は終わります。猫さんがまだボタンの魔女の世界に行っているのか、他にも不思議な世界が存在するのか……。

 そして、魔女に作られた存在であっても、パパとワイビーはコララインの味方でした。なんだか考えさせられてしまいます。魔女が悪いやつにせよ、彼女の作り出したものの全てが悪いものであるとは言い切れないのですから……。