ヤミクモ日和

『好きなものを好きなだけ』をコンセプトに、日記・映画(ホラーが主)・小説の感想などを書いています。オススメや見たいけど怖くて見れない映画がありましたらぜひ教えてください。

あまりキョンシーらしくない「キョンシー(2014)」?

 あまりキョンシーが出てくる作品を見たことないので、たまにはいいかなーと思い、鑑賞。キョンシーのイメージはおでこにお札が貼ってあって、前ならえみたいに腕をつきだし、ぴょんぴょんするもんかなというザックリなものがあるくらい。そう考えると、本作のキョンシーは定番のキョンシーからは少し離れているのかもしれない。

あらすじ

 チン・シュウホウはかつて霊幻道士役で名をはせた俳優だったものの、今はすっかり落ちぶれてしまった。妻子とも離れ、死に場所を求める彼は幽霊の多く出る団地の2442号室の部屋へ……。

感想(ネタバレなし)

 雰囲気はとても好き。終始映像は暗め。そして、この幽霊の多く出る団地が、かなりいい。めっちゃ幽霊が出てくる。幽霊と全体の雰囲気が個性的で、良い作品なのだけれど、他人に勧めるかどうかは微妙。それに関してはネタバレを含む感想で詳しく語りたい。

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 予告編で雰囲気がかなり伝わるかなと。

以後、ネタバレを含む感想

自殺しようとした主人公を救う道士

 輝かしい時代の衣装を部屋に飾り、主人公は2442号室で首つり自殺を図る。子供のいれた留守電を聞き、決心が固まったのか彼は椅子を蹴る。そんな彼の肉体に何かが入り込んだ。そこへ道士が部屋に飛び込んできて、彼を助けるのだった。

幽霊の巣食う団地

 舞台となる団地はすごく幽霊が出る。映画のタイトルを忘れそうになるくらい、前半は幽霊のオンパレード。道士はそんな場所で「いずれは俺もここに憑りつくだろうから」と、幽霊とうまく付き合おうとしている。

二人の道士

 この映画には道士が2人出てくる。メガネの人のよさそうな道士が主人公を救い、せき込んでいる道士がなにやら邪悪そうな人物である。夫が死んだことを受け入れきれない老婦人は邪悪そうな道士に「夫を生き返らせてくれ」と依頼。老婦人は様々な気味の悪いことも邪悪そうな道士の言う通りにこなす。

双子の幽霊

 以前、2442号室で悲惨な事件があった。家で男は双子の女の勉強を見ていた。しかし、男は双子の片方を強姦。それをもう片方が止めるために、男を夢中になってナイフで刺す。あまりにも夢中になって刺したせいか、彼女のナイフは男を突き抜け、自分にも刺さってしまっていた。強姦されていたもう片方は耐えきれず首をつって自殺。その現場を帰ってきた男の妻が発見。以後、その妻は息子とともに団地に住み着くも、2442号室には入ることができない。

捕らえられた双子の幽霊

 邪悪そうな道士は主人公を餌に2442号室で双子の幽霊を呼び出す。双子は手ごわく、危うい流れだったが、様子を見に来た眼鏡の道士の手を借り、双子の霊をなんとか抑え込むことができた。餌にするためいきなり後ろから首を絞められた主人公がすごく哀れだ……。

キョンシー

 老婦人が夫を生き返らせるために邪悪そうな道士に頼んで作ってもらったのは、キョンシーだった。夫の復活が待ちきれない老婦人は「最悪の場合」の手段に出る。老婦人は外すなと言われていた口の鎖も外し、団地に住み着く女の息子をキョンシーにやってしまった……。そして、偶然とはいえ双子の幽霊の封印も解かれ、キョンシーの肉体に双子の幽霊が入ってしまう。

 

 双子の幽霊がキョンシーの身体に入ってからというもの、あまりにもキョンシーらしくない動き方になってしまう。息子を生贄にされた母もキョンシーに立ち向かうがあまり盛り上がりを見せず……。それでも眼鏡の道士と主人公がキョンシーに立ち向かう!

 ……のはよい。それまでは、目を離せない展開が続く。問題はラストだ。なんでこんなラストをつけたのか、私には不思議で仕方ない。

 キョンシーとの死闘ののち、勝利した道士と主人公。画面の暗転ののち描かれるのはなんでもない普通のおっさんの眼鏡道士、楽し気に話す母親と息子、居眠りをする警備員、夫の遺影を見る老婦人、そして首を吊る主人公……。そして、邪悪そうな道士は検死官だった。引き取りに来た息子もずいぶん大きい。これはなんだ……。今までの壮絶な物語は、主人公が最期に見た幻だとでも言いたいのか? にしても、邪悪そうな道士は検死官だったわけだから、主人公の死ぬ前の幻に出てきたとするとおかしな話だ。検死官は死んだ後にしかあっていない。最後のはパラレルワールドだったのだろうか? だとしたら、我々にどちらの世界が幸せに見えるか語り掛けているのかもしれない。……というか、そうであってほしい。死ぬ直前に見た夢でした、だとあまりにもやるせない。